着物を着るとき、タオルをまいたり補正下着をつけたりします。
それは「体を寸胴な体型にするため」です。
もし寸胴の体型にせずにそのまま着物を着ると、帯や着物にシワができて美しい仕上がりになりません。
シワができる理由は、
着物は洋服のように、体の曲線にそった作りになっていないからです。
つまり、着物は直線のまま仕立てられているからなのです。
では、美しい着物姿になるための補正の仕方を詳しくお伝えします。
着物の仕組みと補正の基本
先ほど「着物は直線のまま仕立てられている」といいましたが、このことは洋服と決定的に違います。
洋服は布を曲線に断ち、ダーツ・ボタンなどを利用した、体に合わせたデザインです。
ウエストがキュッとしまった女性らしい体は、洋服を着こなすのに適していますね。
ても、そのままだと、直線の着物が体にそいません。
そこで体のくぼみにタオルなどを補い寸胴にし、着物が体にそうようにしているわけです。
- メリハリボディは洋服が似合う⇒だけど着物には合わない
- 着物のときはくぼみを補って寸胴に⇒見栄えがよくなる
補正するところはどこ?
ちょっとくどいですが、ナイスバディの人ほど補正が必要になる意味がわかっていただけたと思います。
では補正をするところを具体的にお話します。
◆補正・ウエストとヒップの上のくぼみの補正
体で一番くぼみのあるところは、ウエスト
ですね。
そしてヒップの上にもくぼみがある人は、そこも補正します。
- 補正の基本は、ウエストとヒップの上
基本の補正をすることで、シワがよらないだけでなく、着崩れしにくくもなります。
さらに着物姿をより美しく見せるためにする補正
◆フェイスタオルを斜めに折ってバストにのせて補正
基本の補正だけでもいいのですが、もっと着姿を美しく見せたい!というとき、
たとえば儀式などで礼装や正装の着物を着るとき。
補正をさらにさらに加えて、より見栄えのする体型をめざします。
見栄えのする体型とは、「鳩胸」の体型です。
上質の着物で社交の場に出るなら、見栄え・着映えがする方がいいですね。
そこでプラスする補正が、バストの補正です。
- バスト周りに補正をプラスして鳩胸にすると着姿アップに
振り袖姿にはさらに念入りな補正も
振り袖のお嬢さんには、さらに念入りに補正します。
綿をちぎって足したり、さらしやガーゼを巻くなどの方法があります。
若いお嬢さんでほっそりした体型の方に、振袖という華やかな着物がより映えるための補正をしているわけです。
着物の補正はタオルまたは補正用品で
補正をするにはタオル類でもよいですし、専用の補正用品・補正下着を利用してもよいです。
できるだけ簡単に身につけられ、洗いやすいものがよいですね。
補正はそれぞれの体の特徴に合わせてするものなので、市販のものを自分の体型に合うよう工夫するのもおすすめです。
「基本の補正用品」は自分で手作りすることもできます。
手作り派の方はこちらをご覧くださいね。
◆着物のときの補正・タオルで手作り・帯下締め・ウエストとヒップ上とバスト(画像解説)
https://kimono-story.com/126.html
ふくよかな方の補正について
とてもふくよかな方、あるいはウエストにあまりくびれのない体型の方は、補正をしなくてもよいでしょう。
ただ、振袖や訪問着でフォーマルな席に出るとき、全体を引き締めるため、またバランスのよい着姿にするために補正をすることがあります。
また引き締まった体型をめざして、さらしを巻くということもあります。
着物のときの補正はなぜするの?基本の補正と鳩胸にする補正・まとめ
洋服はウエストをしぼったメリハリのある体型に合わせて作られていることが多いですが、着物はそうした前提がありません。
そもそも着物は平面の生地を、体に添わせるように仕立てられています。
そのため体のくぼみにタオルなどで補正してから着用する方が、着姿がはえます。
着物の着心地や見栄えなどを考慮して、自分にあった補正をみつけていってください。
<関連ページ紹介>
◆着物の補正はしなくていい?バスト(胸)をなだらかに、私の場合は
◆伊達締めとは何?使い方結び方・マジックベルトとの違い・代用品
◆腰ひもと伊達締めのたたみ方・しまい方・手入れと洗濯
https://kimono-story.com/42.html
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