秋9月、さわやかな空気と夜空に浮かぶ丸い月。
その美しい姿を古来からめでてきた私たち。
2023年の中秋の名月はいつでしょう。
月見といえばお団子ですが、当たり前の風習を少し深掘りしてみましょう。
お月見と十五夜、中秋の名月の違い、お月見には何をする?どんな食べ物を食べている?
おいしい収穫物の実りに感謝して、お月見を楽しみましょう。
お月見と十五夜の違いは何ですか?
◆月見障子
日本の「中秋の名月」は、伝統的な秋の行事で、満月を楽しむ文化です。
中秋の名月とは何?
中秋の名月は、旧暦8月15日の夜に行われるお月見の行事で、この日の月を「名月」と呼び、特別に美しいとされます。
この時期の月は、空気が澄んでいること、および、夏の終わりから秋へと季節が移り変わる時期であることから、
昔の人々にとっては収穫を感謝する意味合いも持ち、また詩や歌の題材としても愛されてきました。
十五夜とは何?
十五夜は、旧暦の毎月15日の夜のことを指し、満月の夜を意味します。
中秋の名月も実際には「8月15日の十五夜」であるため、中秋の名月は十五夜の一つと言えます。
しかし、「十五夜」と一般に言う場合は特に8月15日のことを指すことが多いです。
お月見とは何?
お月見とは、満月を愛でる行事や習慣のことを指します。
中秋の名月はその最も代表的なお月見の日とされていますが、実際には他の十五夜にもお月見を行うことはあります。
中秋の名月の行事
中秋の名月は、日本の伝統的な秋の行事で、特に旧暦8月15日の夜に最も美しいとされる満月を楽しみ、その美しさや収穫の感謝を表現するものです。
この日には、団子や栗、柿などの秋の味覚を供えて、家族や友人とともに月の美しさを愛でます。
つまり秋にもっとも美しいとされる満月を目で楽しみ、秋の収穫の感謝をするのが9月の満月のときに行われているお月見となります。
2023年の中秋の名月はいつ?
2023年の中秋の名月は9月29日です。
「中秋の名月」というのは、太陰太陽暦の8月15日の夜に観ることができる月のことを意味します。
この習慣は、平安時代に中国から日本へと伝えられたとされています。
日本で、中秋の名月は農業の行事と密接に関連しており、「芋名月」という名前で呼ばれることもあります。
お月見(中秋の名月)に何をする?
中秋の名月には、家族や友人と一緒に、庭やベランダ、公園などで輝く月を愛でます。
毎年思いますが、秋はとても美しい月を眺めることができます。
お供え物は、月見団子と季節の収穫物。
季節の収穫物は、栗や柿、サツマイモなど、秋の味覚を供えるのが一般的です。
飾りは ススキ。
お月見の飾りとしてススキを使うことは古くからの伝統です。
ススキは豊穣の象徴とされ、また、その独特の形状が月光に照らされると美しいとされています。
ススキを花瓶に生けたり、庭やベランダに飾ったりします。
以上のような行事や飾りを用意することで、中秋の名月の雰囲気を楽しむことができます。
お月見の行事の食べ物
お月見のとき団子を供えますが、お団子を食べる理由やそのほかの食べ物について紹介します。
お団子を食べる理由
月見団子を、お月見の時供えてそれを食べます。
日本には昔から月への深い信仰があり、特に「月読命(つくよみ)」は月の神様でありながら農耕の神様でもありました。
そのため、十五夜にはこの神様に対してお供えや祈りを捧げる習慣が生まれました。
月見団子は、ただのお供え物というだけでなく、収穫の祈りや感謝の意味を持ち、さらには物事の結実、健康、そして幸福を象徴しています。
江戸時代に入ると、秋の時期に収穫される米の豊作を祈念する意味も込めて、特に米を使用して団子を作り供える風習が定着したと伝えられています。
月見団子のいろいろ・地方色
十五夜の伝統に従い、縁起が良いとされる一寸五分(約4.5cm)の大きさの丸い団子を作る習慣があります。
しかし、ピンポン玉のような完璧な丸さはさけるべきで、これは「枕だんご」と呼ばれる死者の枕元に供えるものに似ているからです。
そのため、団子を少し潰して形を整えるとよいとされています。
一方、月見団子には地域ごとの特色があります。
◆関西の月見団子
関西では、里芋に見立てた形の団子が主流で、外側にあんこを塗っています。
これは「芋名月」の伝統にちなんでおり、あんこは里芋料理の「衣かつぎ」や、月にかかる雲を象徴すると言われています。
◆愛知の月見団子
愛知県では、同じ里芋を模した形の団子でも、色としては白や茶、ピンクがつけられることが一般的で、あんこは付けられていないです。
◆沖縄のお団子 ふちゃぎ
沖縄では、地域的な特色として、「ふちゃぎ」という餅に塩味の小豆をまぶしたものが好まれています。
これらの違いは、日本の地域ごとの文化や風習の多様性を示しており、とてもおもしろいですね。
お月見の時の食事
◆月見そば
月をテーマにした料理をいただくというのもお月見の行事に取り入れたいですね。
月をテーマというと、まず月見そばがあり、こちらは卵を月に見立てて盛り付けられます。
◆月見カレーうどん
また、うどんに卵をトッピングした「月見うどん」や、カレーに卵を追加するスタイルも人気です。
◆月見バーガー
風流というわけではないですが、みんな大好きな月見バーガーを作ってみるというのもいいかもしれません。
卵が月を象徴する形として使われ、さまざまな料理のアクセントとして楽しまれていますね。
月に兎がいる?伝説は日本だけ?
うさぎが月でお餅をついている、というお話を聞いたことはありませんか?
「月に住むウサギがお餅をついている」という話は、実際には神話や伝説の中のものであり、文字通りの事実ではありません。
ただし、この伝説は日本だけでなく、他のアジア諸国にも存在し、長い歴史を持つ伝統的な物語として語り継がれているそうなのです。
◆中国の伝説
中国の伝説では、月には不老不死の薬を作るウサギが住んでいると言われています。
このウサギは「玉兎」とも呼ばれ、杵(きね)で薬を作っているとされる。
◆日本の伝説
日本には、ウサギがお餅をついているという伝説があります。
これは、月の表面の模様を見て、ウサギが餅をついているように見えるという視覚的な印象から生まれた物語と考えられています。
◆韓国・朝鮮半島の伝説
朝鮮半島の伝説にも、ウサギが薬を作っているという話が存在します。
アジアの多くの地域で月の表面の模様をウサギに見立てた物語が語り継がれてきました。
これらの伝説は、人々の想像力や自然現象への解釈の一部として受け継がれてきたものといえますね。
お月見2023年はいつ?中秋の名月9月29日/十五夜との違い/お団子と食べ物・まとめ
中秋の名月をめでるのは毎年の楽しみの一つで、ようやく涼しくなってきた秋の夜に、虫の声を聴きながら眺めています。
今年もくっきりと姿を見せてほしいですね。
※太陰太陽暦は、太陽の動きに基づく太陽暦と、月の動きに基づく太陰暦の要素を組み合わせた暦法です。この暦法は、特に古代の東アジアで広く用いられていました。
特徴として、
1.太陰的な要素: 1ヶ月の期間を、新月から次の新月までの間として定義します。この周期は約29.5日です。このため、太陰暦の1ヶ月の日数は、大体29日または30日となり、交互に設定されることが多いです。
2. 太陽的な要素: 一年を太陽の動きに基づいて、春分や秋分を基点とする約365.25日として計算します。ただし、月の周期(約29.5日)と太陽の年周期(約365.25日)の間にはずれが生じるため、このずれを調整する必要があります。
3. 閏月の挿入: 上記のずれを調整するために、一定の年に一回、閏月(追加の月)を挿入することで、年間の日数を調整します。このようにして、太陽太陰暦は季節の変動や農作業とも一致するように設計されています。
中国、韓国、ベトナムなどの東アジア諸国では、長い間、この太陽太陰暦が使用されてきました。特に、旧正月や中秋節など、多くの伝統的な祭りや行事はこの暦に基づいて日付が定められています。
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