小津安二郎監督の映画を見たことがありますか?
まだ着物が当たり前に着用されていた時代の映画で、特に有名な「東京物語」は、世界中からの評価が高い映画です。
生まれる前の映画のため、あまり興味はなかったのですが、いざ見てみると、
日本の高度経済成長期の、都心と地方の生活スタイルの違いや、服飾の変化なども見られ変化が大きいときだったことを思い知らされます。
特に女性が着物から洋服へと、日常着が変化していくのは、まさに1950年代からです。
日本人の服装が着物であった時代を知るのは、着物のときの所作や当たり前の生活を知ることができて興味深いです。
小津安二郎監督の代表作・東京物語にみる着物姿と時代
日本映画の中で、着物姿が当たり前の時代を描いた代表的な作品としては、1953年に公開された「東京物語」が挙げられます。
この映画は、日本の伝統的な家族のあり方や当時の社会背景を描き出しており、
主要な登場人物が着物を着用しているシーンが数多くあります。
「東京物語」の監督は、日本映画史において重要な地位を占める小津安二郎です。
小津監督は、日本の家族構造や日常生活を独特のスタイルで描いたことで知られており、
「東京物語」は彼の代表作の一つとされています。
この作品は、洗練された映像美と深い人間ドラマで、国内外の映画ファンから高い評価を受けています。
東京物語のあらすじ
◆プリンアラモード
映画『東京物語』あらすじは、尾道で暮らしていた周吉と妻のとみは、小学校の教師をしている次女の京子に留守番を頼み、上京します。
東京の下町で開業医をしている長男の耕一に泊めてもらうことになったが、東京見物をしようとしたところ、耕一に急用が入り、結局行くことができなくなります。
その後、美容院を経営するシゲの家に転がり込むが、シゲも夫も忙しく、両親はどこにも出かけられません。
シゲは、戦死した次男の妻の紀子に一日両親の面倒を見てくれるよう頼みます。
紀子はわざわざ仕事を休み、2人を東京の観光名所に連れて行き、そして夜は彼女の小さなアパートで精一杯のもてなしをします。
このあとは観てのお楽しみ。。。。
東京物語以外の映画作品
小津安二郎監督の作品の中で、「東京物語」以外にも着物姿の主要な登場人物が多く登場する映画をみみましょう。
着物好きの方はぜひ一度、着物姿の日本をご覧になってはいかがでしょう。
1. 「晩春」(1949年): 小津安二郎監督の作品の中でも特に高く評価されている作品の一つで、主要な登場人物が着物を着ているシーンが多く見られます。家族関係と結婚を巡る心の動きを描いています。
2. 「麦秋」(1951年): 日本の家族や農村生活を描いた作品で、こちらも主要キャラクターが着物を着ているシーンが豊富です。
3. 「秋日和」(1960年): こちらは小津安二郎の晩年の作品で、彼の映画に共通する家族や個人の内面のドラマを描いており、着物姿のキャラクターが多く登場します。
これらの映画は、小津安二郎監督の独特の映画スタイルと、日本の伝統的な家族構造や生活様式を映し出しています。
着物を着用している登場人物たちは、当時の日本の社会的背景や文化を反映しています。
小津安二郎監督の映画監督としての経歴
◆小津安二郎記念館
誕生年と没年
- 誕生年:1903年12月12日
- 没年:1963年12月12日
映画監督としての略歴
小津安二郎は、1920年代初頭に映画業界に入り、最初は助監督や脚本家としてキャリアをスタートしました。
監督デビュー: 1927年に映画「剣の舞」で監督デビューを果たします。
映画スタイル: 彼の作品は、家族の絆、結婚、個人の孤独などを静かで繊細な手法で描くことで知られています。
特に、映画の中での低いカメラ位置や静かな映像の構成が特徴的です。
代表作: 「東京物語」(1953年)、この作品は後に国際的にも高く評価され、多くの映画監督に影響を与えました。
その他の重要な作品: 「晩春」(1949年)、「麦秋」(1951年)、そして「秋日和」(1960年)など。
世界的な賞の受賞
小津安二郎は生前、特に国際的な映画賞を多く受賞したわけではありませんでした。
しかし、彼の死後、彼の作品は国際的な映画祭や映画界で再評価され、多くの映画監督や映画評論家から高い評価を受けています。
特に「東京物語」は、国際的な映画アンケートで「史上最高の映画」の一つとして何度も選ばれています。
小津安二郎の作品は、日本映画のみならず世界映画史においても重要な地位を占めており、
彼の独特のスタイルとテーマは今日でも多くの映画制作者や映画愛好家に影響を与え続けています。
主人公や登場人物が着物姿の映画を見ていると/白黒映画の中のきもの・まとめ
1950年代から60年代の日本映画では、着物を着た人物が多く登場する作品が数多く制作されました。
この時期の映画は、戦後の復興と伝統との間の緊張関係を反映しているかといえます。
多くの作品では、家族構造の変化、都市化の進展、そして伝統と現代性の融合がテーマとされていました。
着物姿の人物は、日本の伝統的な価値観と生活様式を象徴していますし、この時代の映画は、日本文化の深い洞察と芸術的な表現の両方を提供することで、国際的な評価を受けています。
私の記憶の中でも、1970年代になるまでは、日常に着物姿の女性がまだありました。
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