着物の洗い方には、「洗い張り」と「丸洗い」があります。
「丸洗い」は着物そのままをドライクリーニングすることです。
「洗い張り」は、縫い目をほどいて水と洗剤で洗う方法です。
ここでは「着物の洗い張りの方法」についてまとめました。
洗い張りの手順、相場の料金、メリットなどについてお伝えします。
着物の洗い張りとは
着物の洗い張りとは、着物の縫い糸をほどいて反物の状態に戻してから水洗いするクリーニング方法です。
着物をほどくことで、織り方向に沿って糸を張り直し、洗うことで汚れを落とします。
洗い上がった着物は、再度縫い直され、元の形に戻されます。
洗い張りすると、生地がまるで新品のようによみがえり、再び長期着用できるようになります。
着物の洗い張りは、丸洗いとは異なり、手作業で行われるため、料金が高めになる傾向があります。
洗い張りと仕立て直し
洗い張りと仕立て直しの違いをまとめておきますね。
着物の洗い張りとは、着物の縫い糸をほどいて反物の状態に戻してから水洗いするクリーニング方法で、洗い上がった着物は再度縫い直され、元の形に戻されます。
一方、仕立て直しは、着物の形を整えるために縫製を解き、再度縫い直す作業です。
着物のサイズを変更したいときや、きれいな状態の着物のサイズを変えたいときは、洗い張りをせずに、仕立て直しのみでよいでしょう。
洗い張りの手順・やり方
着物の洗い張りの具体的な手順・やり方を紹介します。
- 着物をほどいてバラバラの状態にします。
- パーツになっている布をつなぎなおし、一枚の布(反物)の状態に戻します。
- 水や水溶性の溶液を使い、布全体を職人が丁寧に洗っていきます。
- 洗い上げた布をピンと張り直し、乾燥させていきます。
- 布全体に新しく糊(ノリ)を引いて、パリッとした状態に仕上げます。
- ゆっくりと時間をかけて乾燥させ、着物の繊維の状態を新品のようにふっくらと蘇らせていきます。
洗い張りをすると、さっぱりとしてまるで生地が生き返るような新鮮さになります。
洗い張りの良い点・メリット
洗い張りは、洗った後に仕立てるため、以下のようなメリットがあります。
- サイズを変えて仕立てることができる
- 生地の傷みや色の変化をカバーできる
1については、今の体型に合ったサイズに変えて、着心地をアップさせることができます。
また八掛を変えるなど、雰囲気を変えることもできます。
2については、仕立て直すとき、傷んだところや変色したところなどを、見えない位置に移動させることで、その後も長く着用できるようになります。
また羽織りやコートなど別の用途のものに仕立て直すときも、洗い張りをしてからにするのがおすすめです。
洗い張りはどこで頼む?
◆着物生地を板に張って乾かす
昭和30年代ごろまでは、「洗い張り」は主に家庭の主婦が行っていました。
現代では、以下のいずれかの方法で依頼します。
- 悉皆(しっかい)屋
- 洗い張りの看板のあるところ
- 呉服店を通して依頼
- インターネットでさがす
着物の洗い張りの料金相場は?
洗い張りの費用は、細分化した作業を積み上げて計算されます。
ではどれくらいかかるでしょう。
<洗い張りの費用の計算>
- 着物の解き代
- 端縫い代
- 洗い代
- 仕立て代
- 必要なら裏生地代
これらの作業の代金をまとめて、費用は決まります。
着物の種類ごとに設定されている場合が多いです。
解いて洗うという作業までなら、着物の洗い張りの相場は、一枚あたり12,000円~20,000円前後(小袖の場合)となっています。
仕立てをすると、そこに仕立て代がかかります(普通の着物1~2万円)。
新しい裏生地にすると、またさらにその代金が加わります。
着物がよみがえる洗い張りとは何?手順やり方/意味/相場の料金/メリット・まとめ
丸洗いだけでは落ちない汚れもきれいさっぱりして、生地がよみがえる洗い張り。
古い着物を洗い張りして自分のサイズに仕立て直すと、着やすく真新しい着物になります。
新品同様になるので、着物を長持ちさせることができますよ。
呉服屋さんを通じて、またはインターネットで洗い張りできるお店を探しましょう。
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