着物を着る機会が減っている理由のひとつに、お手入れの大変さがあると思いませんか?
自宅でシミ抜きやお手入れができれば、もっと着物を着る機会が増えるはず。
そんな人たちのために、着物のお手入れに関するおすすめ情報を紹介します。
着物を着ていてシミをつけやすいところは、袖・裾・衿。
ここでは着物につくシミの対処法やしみ抜きの料金相場をお伝えします。
シミをつけやすいところと対処法
着物のシミは、どこにどんなシミがつきやすいかをまずみてみましょう。
袖や裾の染み
袖や裾は、主に内側で肌にふれることで皮脂の汚れがつきます。
裾の外側は、歩くときに舞い上がったホコリや塵による汚れ、雨や泥のハネによる染みがつきやすいです。
衿や衿元のシミ
衿や衿元は、食事の際の汁の飛びはね、化粧品などでシミがつきやすいです。
脇や背中のシミ
脇や背中は、汗じみがつきやすいところです。
ここでは汗じみの対処法ははぶいています。
シミ抜きは自分でできる?
着物のついてしまったシミは自分でシミ抜きできるでしょうか?
ある程度のしみ抜きは、自分でも家庭で行うことができます。
シミは水または低温のぬるま湯で早めに対処するのが鍵で、湯やアイロンなどによる熱の使用を控えましょう。
しみができた時、素人でもできる対処法は?
ファンデーションなどの油汚れ
自宅でできるファンデーションなどの油汚れのしみ抜き方法は以下の手順でおこなってください。
- ベンジンを綿のガーゼに十分に含ませる。
- 色落ちしても問題ない布を下に敷く。
- きものの汚れた部分をその布の上に広げる。
- 「トントン」と軽くたたきながら、こすらずに下の布に汚れを移す。
注意点: 結婚式や披露宴で袖口にマジックやボールペンの汚れが付着した場合も、この方法で対処可能です。
液体による汚れ
液体汚れは最も一般的なタイプの汚れで、醤油やソースなどの調味料や、アルコール、お茶、コーヒーなどの飲料が含まれます。
このような水性の液体シミには、中性洗剤を約15倍に薄めた溶液をシミのついた場所に使用します。
ファンデーションのシミと同様に、吸水性の高い綿布を広げ、こすらないようにやさしくたたき、
着物のシミを下に移動させるようにたたきます。
マヨネーズ、バター、チョコレートなど、油性と水性が混ざったシミの場合は注意が必要です。
ベンジンでシミを落とし、その後に薄めた中性洗剤でシミを落とします。
ただし、ワイン(特に赤ワイン)の場合は専門家に相談すること。
水性ワインであっても、染み込んでしまうと落ちにくいシミになってしまうので、早めの処置をお勧めします。
泥汚れ
雨の日や路面状態の悪さで、着物や草履の裾に泥汚れが付着した場合は、まずそのまま陰干しして泥に含まれる水分を蒸発させ、乾燥させます。
その後、乾いたシミにブラシを当て、ブラッシングしながらシミを落とします。
泥などほとんどの汚れはブラシだけで落とせます。
しみ抜きをクリーニング店に出したらいくらかかる?
- しみ抜き・汚れ落とし: 1カ所約1,500円~。
- 変色の染み落とし: 1カ所約4,000円~。
【振袖のお手入れを専門店に依頼した場合の参考価格】
- クリーニングの染み抜きセット:約7,500円~
- 京洗い:約7,800円~
- 洗い張り:約1万5000円~
しみ抜きしてもらったら汚さないための加工・パールトーン加工
シミ抜き後は今後汚さないために、汚れが付着しにくくなるパールトーン加工をするのがおすすめ。
- 仕立て上がりのきものに施す場合は、約1万2000~1万5000円。
- しみ抜き後の加工の場合、約1万5000円が目安です
しみ抜きを頼むときは詳しく伝える
シミ抜きを依頼するときは、いつ、何がついたのかを詳しく伝えます。
シミをとる溶剤は幾種類もあるので、適したものを判断してもらいやすくなります。
きもののシミ・自宅でできる対処法 シミ抜き方法/しみ抜きの料金相場・まとめ
きものは、お気に入りのものを長く綺麗に着るためのお手入れが重要です。
ご自分でお手入れすることができれば、きものに愛着が持てるのでとてもおすすめの管理方法です。
ですが、気になるしみを見つけた時は、早めに専門店に相談して解決なさってください。
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