絹の着物をクリーニングするには、「丸洗い」をする方法と「洗い張り」をする方法の二つがあります。
「丸洗い」はそのまま洗い、「洗い張り」はいったん着物をほどいて洗います。
そのため「洗い張り」は手間がかかり、丸洗いよりお値段は高いです。
まずは二つの洗い方の特徴をおさえておきましょう。
今はどちらの洗い方をしたらいいのかがわかります。
また大切な着物を安心して預けることのできる業者の選び方もお伝えします。
1・着物の「丸洗い」とはその特徴
着物の丸洗いとは
着物のクリーニングの「丸洗い」は、「京洗い」ともいい揮発溶剤で洗うドライクリーニングのことです。
揮発溶剤を使うので、油性の汚れ(着物の衿や袖口の皮脂の汚れ、化粧品の汚れなど)に力を発揮します。
また繊維の摩擦が起こりにくく、生地を傷めないのも特徴です。
全体を丸ごと均一に洗って汚れを落すので、全体がこざっぱりとします。
ただ汗をはじめとする水溶性の汚れは、落ちません。
丸洗いのクリーニング代は着物の種類で違いがあり、約3,000~9,000円。
「京洗い」は何か違うのか?
着物の丸洗いを「京洗い」という名称にしているクリーニング店があります。
この名称をつける理由は、着物のクリーニングをおこなっているとはっきり表明するためでしょう。
イメージ的には「京都で洗ってくれる?」みたいで、なんだか高級感のある特別なクリーニングのような気がします。
ですが、着物のクリーニングに「京洗い」という特殊な洗い方があるかというと、そうではありません。
「着物のクリーニングしています」と掲げてあるお店と同じです。
丸洗いするのはいつ?
着る頻度にもよりますが、うっすら汚れが気になりだしたら丸洗いに出すとよいですね。
ごくたまにしか着ない留袖や振袖などなら、着用したすぐあとに丸洗いに出しておくと安心です。
丸洗いの仕上げはどこまでか
丸洗いの仕上げは、通常丸洗いして必要があればプレスしてたたみます。
中にはしつけ糸をつけてくれるところもあります。
オプションで、
- 染み抜き
- 「汚れ防止」や「防水」の加工
ができる場合もあります。
丸洗いだけでいいのか、オプションもするとよいのかを考えて申し込んでください。
2・着物「洗い張り」とは、その特徴
もう一つの手入れ(クリーニング)方法で、「洗い張り」という方法があります。
この方法は油性水性両方の汚れに威力を発揮します。
新品のような光沢や張りを取り戻すことができる洗い方です。
「洗い張り」の洗い方
「洗い張り」の洗い方をざっくり説明します。
着物をぜんぶ解いて、端を縫い合わせて長い反物の布にします。
その後、水と洗剤で洗う方法です。
洗い後は乾燥と仕立て
洗いのあとは、端の縫い目を解いて、乾燥させます。
このとき糊付けしながら乾燥させていきます。
その後仕立てをします。
このときサイズを変更して仕立てることもできます。
洗い張りだけなら8,000円から12,000円ほど。
仕立てて新しい裏地に付け替えると、全部で30,000円ほどが目安。
洗い張りするのはいつ?
一方洗い張りは、何シーズンか頻繁に着用して、かなりくたびれてきたなというあたりでするのがよいでしょう。
または、どなたかに譲るときやサイズを変更するタイミングで行うとよいです。
安心できる業者選びのポイント
インターネットを利用して、クリーニングの依頼先を選ぶときのポイントです。
以下のようなことを店のサイトで確認しておくと、安心して依頼することができます。
<お店選びのポイント>
- 着物の種類による値段設定がわかりやすい
- 複数頼む場合の値段設定が、わかりやすい
- 送料の負担方法、支払方法がわかりやすい
- 基本の洗い以外にできるオプションの説明がわかりやすい
- 高い値段のお店は、それに見合う洗い方・技術の説明がある
安かろう悪かろうでは意味がない
お値段は安いに越したことはありませんが、キレイになっていなくては意味がありません。
価格を抑えるために、大量に扱っているところは仕上がりが今一つということもあります。
最初はお店の口コミなどを調べ、信頼できそうか判断しましょう。
口コミ等なければ、一度依頼してみて判断します。
洗いあがってもどってきたら、袖口や衿の汚れが完全にとれていることを確認しましょう。
着物の洗い方/クリーニング・丸洗いと洗い張りを解説/業者選びのポイント・まとめ
「丸洗い」は「京洗い」ともいい揮発溶剤で洗うドライクリーニングのこと。
「洗い張り」は水性・油性のどちらの汚れも落ち、さっぱりとします。
「洗い張り」は仕立て直しや裏地の取り換えを合わせてすることができます。
インターネットの業者選びは、料金体系が明確で問い合わせにすぐ応じてくれるところがおすすめ。
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