気軽な外出着である「おしゃれ用着物」の、帯とのコーディネートの基本をおつたえします。
ここでは、ウール・紬・小紋・アンティークの着物に合わせる帯になります。
(講座「おしゃれ着物と帯のコーディネートの基本」の後編で、前編は「浴衣と帯のコーディネートの基本」)
以下の着物の種類順にお話しします。
- ウールの着物
- 紬の着物
- 小紋の着物
- アンティーク着物
1)「ウール着物」と帯のコーディネートの基本
◆ウールの着物と帯のコーディネート例
ウールの着物は、主に普段・日常に用いる着物で、 ひとえ仕立てが基本です。
日常着としてなら、半幅帯を合わせます。
外出用であれば、半幅帯または名古屋帯をあわせます。
帯の素材について
帯の材質については、半幅帯ではどんな素材でもいいでしょう。
名古屋帯では、ウール・綿・化繊が合います。
帯の色について
半幅帯の場合の色ですが、同系色はさけた方がいいです。
思い切って反対色や、目立つ色柄で メリハリをつけるのがおすすめです。
名古屋帯をする場合も、インパクトのある色柄を合わせるとカジュアル感がでます。
お出かけするオシャレ感が欲しい場合は、 着物の中の一色を帯に持ってくる、あるいは着物と帯は同系色の濃淡にするとまとまります。
ウール着物は普段着~ちょっとした外出用なので、古典的な柄や、格調のある柄、金・銀使いはしません。
2)「紬着物」と帯の取り合わせの基本
◆紬の着物と帯のコーディネート例
紬の着物は、裏地をつけ、秋~春に着ることの多い着物です。
紬の着物には、半幅帯または名古屋帯を合わせます。
普段着~おしゃれ着、軽い外出用です。
柄(模様)が、幾何学的であたったり、 かたい雰囲気のものが多いです。
名古屋帯を合わせるときの基本
まず名古屋帯を合わせる場合です。
あわせる帯は、 染めのやわらかい印象のある模様の帯をあわせると、全体のかたさをとってバランスがよくなります
反対に、かちっとした模様の「織りの帯」をあわせると、個性的に装えます。
名古屋帯の色について
名古屋帯の色は、染め帯・織り帯のどちらの帯をあわせるときも、
- 着物と帯は同系色の濃淡にする
- 着物の中の一色を帯に持ってくる
- 対称的な色で調和する色を持ってくる
この3点をふまえて帯の色を選ぶのが基本です。
「紬着物」に半幅帯を合わせる場合について
半幅帯の場合も、上記の3点を基本にします。
帯はある程度インパクトのあるものの方が、 カジュアルで軽快な感じになります。
3)「小紋着物」と帯のコーディネートの基本
◆小紋の着物と帯のコーディネート例
「小紋」は、全体に連続した模様が染められた着物のことです。
模様は、花や蝶、草を中心に、民芸品、調度品、道具類など、 多様なものがあります。
そして、大きな柄、びっしりとつまった模様、小さい柄が点々と飛んでいるようなものなど、さまざまです。
色数も地色と模様の2色のものから、多色染めのものまで、 色彩も実に豊富です。
小紋着物に合わせる帯
帯は「名古屋帯」、「袋名古屋帯」、 または「京袋帯」を用います。
小紋着物はやわらかい着物の一種なので、 一般的に帯はかたさの感じられる、織り物の帯をあわせます。
着物と帯を調和よく合わせるには、 先ほどの紬着物のところでもふれましたが、
- 着物と帯は同系色の濃淡にする
- 着物の中の一色を帯に持ってくる
- 対称的な色で調和する色を持ってくる
ようにします。
小紋着物にはこのように織りの名古屋帯をあわせることが多いですが、 染めの名古屋帯を合わせてもOKです。
染めの帯を合わせると、 全体がやさしくやわらかな印象になります。
織りの帯の中には、格調の高い柄や金銀糸を用いたものがありますが、 これらは小紋着物には合いません。
4)「アンティーク着物」と帯のコーディネートの基本
◆アンティーク着物と帯のコーディネート例
アンティーク着物は大正~昭和初期に流行した着物です。
時代を経ているので生地の劣化などもあり、本物がすくなくなっています。
そこでアンティーク着物に似せた現代の着物も出ています。
アンティーク着物は、主に外出用のおしゃれ着として着ますから、 もっぱら名古屋帯を合わせます。
アンティークの帯との組み合わせが一番しっくりします。
全体のテーマを決めたコーディネート
着物も帯も大胆な柄や多色使いのものが多いので、何かテーマを決めると合わせやすいです。
季節や絵画を表現するような、おしゃれを楽しめます。
ご自分の「好き」に合わせて組み合わせてみても、違和感が少ないのがアンティーク着物です。
アンティーク着物の帯結びや小物使い
アンティーク着物の帯の結び方は、お太鼓の形をまるくしたり、角だしにするのもとても合います。
その際、半襟や足袋も色や柄のあるもの、 帯締めは組みひもでなく丸ぐけひもにすると、より雰囲気がでます。
ししゅうの半衿をたっぷりと出したり、 おはしょりをややルーズにしても、 着物慣れしたムードが出せます。
着物のある暮らしを楽しむための講座はいかがですか?
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