着物の仕立て(あつらえ)には、だいたい3ヶ月から半年くらいの期間をみておくと安心です。
ただこの期間に、お店で相談している期間ははいっていません。
「生地も色も模様もきまっている」段階での、目安の期間です。
お店選びそのものを、まずは早くした方がよいです。
着用季節を想定して相談する
模様を手描きする着物の場合は、半年前にはお店を決めます。
そして着用予定の季節に向けて、相談を始めます。
10月中旬の結婚式に着るなら、半年前は4月中旬。
1月下旬の予定なら、7月下旬に相談を始めるというわけです。
着物によっては余裕がある期間ですが、半年という目安を覚えておきましょう。
ではどうしてそんなに長い期間がかかるのか?不思議ですよね。
それは着物が特別なルートによって仕立てられているからです。
仕立てあがるまでの行程を見てみましょう。
着物の仕立ての行程・順序
着物の仕立てあがるまでの行程は、
スタート⇒図柄、意匠の相談
⇒下絵を描く
⇒糸目を置く
⇒糊伏せをする
⇒地染めをする
⇒蒸す
⇒水元
⇒地入れをする
⇒挿し彩色
⇒蒸す
⇒水洗い
⇒水元
⇒湯のし
⇒金彩・刺繍
⇒地直し
⇒仕立て
⇒各種加工
以上のような行程を経てできあがります。
時間・期間がかかるわけ
上記のような行程を、ひとりの職人さんがおこなうわけではありません。
それぞれ専門の職人によって、別の場所で分業で行います。
着物が何度も職人さんの元へ移動します。
そのため、一定の期間がかかるわけです。
着物一枚一枚に、個別の模様を描き、紋を入れる、金彩を施す、刺繍をするなど。
複雑でち密な作業が加わるため、流れ作業というわけにはいかないのですね。
特に職人さんは「気分やさん」が多いといいます(よい意味で)。
体調がよく気力が充実しているときほど、よい作品ができるそうですよ。
そのため、急ぎで依頼するのはよくないのですね。
最も早い仕立て行程は
一方、最も早く出来上がる着物は何かというと、「小紋」「付下げ」でしょう。
お店にある反物を選び、裏生地を選べば、仕立てに入れます。
職人さんのあき具合によって、1~2ヶ月ほどの短期間で出来上がるでしょう。
おわりに
着物の仕立てを依頼するなら、3か月~半年前には相談を。
作業行程の多いものほど日数がかかります。
職人さんの素晴らしい技を発揮していただくためにも、余裕をもって依頼を。
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