絽の紅型着物と麻の名古屋帯のコーディネートで、着付けの練習をされていたKさんです。
お母様が着用されていたお召し物の中から、Kさんが選んだ夏の着物と帯を、着姿とともに紹介させていただきます。
まずは着物の方から。
隙間を繰り織り出した「絽」という夏物の着物です。
染めは紅型(びんがた)という沖縄の染色法で、明るく開放的な印象のある色と模様が特徴です。
正絹の軽さとしなやかさを、体の動きにつれてふんわりと感じることのできる上質なお着物です。
お母様と身長が同じということで、ほっそりしたKさんにぴったりです。
麻の名古屋帯をリバーシブルで愛用する
帯は麻素材で、写真は表側ですが裏は濃紺一色です。
通常名古屋帯は裏の方は使いませんが、Kさんの帯は素材がとてもよいので裏を感じさせません。
着物に合わせるにあたって裏の濃紺の方がオーソドックスなコーディネートになると思い、最初はそちらを合わせて練習してみましたが、うっかり?表側で締めてみたのです。
すると、色は同系色なれど素材の良さと質感の違いが上手く合って、この組み合わせもグッドです。
張りのある麻の帯が着物の柔らかさを引き締めるように、バランスよく見えます。
「帯の濃紺の裏生地を使っては?」と最初に提案したのはKさんで、私もそれはいい!と思ったので裏で練習していたんです。
もちろんその着姿もバッチリ決まっていますが、写真に残していないのが残念です。
濃紺一色の帯との組み合わせは、これよりもカジュアルな印象になります。
補正のミスでおはしょりが短くなったいきさつ
本当のKさんの着姿は、もっとスラリ~っとしたお姿なのです。
この写真のお姿は、実は補正の仕方をミスして、お腹周りがふっくらしてしまいました。
練習にお越しになるのに、ご自身で着てお越しになったのですが、どうしてかおはしょりがうまく出ていません。
補正用のタオルを前回のおけいこと同じように使用されていたにも関わらず、身丈がたりなくなってしまっていました。
オカシイな?と思いややぽってりしたお腹に手を当ててみると、補正タオルが巻かれていました。
タオルをウエストのみに巻くところを、少しだけ下の方に巻いてしまっていたようです。
そしてヒップの上だけにしてほしかった補正タオルも、少し下の位置まできていました。
そのためお腹周りが太くなってしまっていたわけです。
それだけだの違いだったにも関わらず、5センチほどだったおはしょりが、1センチあるかないかの状態になってしまっていました。
着付け方法は同じなのに、身丈が短くなってしまい、さらに打合せが浅くなってしまっていました。
材料が同じでも補正の仕方が違うと、着姿が随分違ってくるものだなと、二人とも感心しちゃいました。
そんな理由もあって、この写真は本来のKさんのお姿とは違い、お腹まわりがぽっちゃりしています。
本当はもっとスラリとステキなお方なのですよ!
自分で完璧にしたい帯結び
あとは練習を何度かしていただくのが一番いいと思います。
名古屋帯でのお太鼓は、まだ手が完璧にできていないため、お太鼓山が斜めになったり、たれの長さの調節が難しいようです。
Kさんにとってお太鼓の山をきちんと作るのが一番難儀なようです。腕も痛いですし指先でさぐるのが難しいですよね。
なのでお太鼓お底にゆとりができてしまうのは、今の段階ではやむをえません。
このお召し物を海外にお持ちになって着るそうで、周りには手伝ってくれる人はいませんから、あと少し頑張って完璧といえるくらいになってくださいね。
努力家で勇気のあるKさん、応援しています!
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