土用の丑の日にうなぎの蒲焼の代わりに、ウナギ味のナマズ重の試食会がありました。
全国で60食のみの試食会では、うなぎの蒲焼そっくりのナマズ重が「なかなかいける」という評価をされていたのですが、本当にいけるお味なのかな?と気になりました。
ナマズをウナギの代わりに蒲焼にするのは、すでに試験段階は終わっているようで、ウナギの味そっくりのナマズの養殖に成功している近畿大学では、商品化の手ごたえを得たようです。
うなぎの価格はここ数年高騰していて(まさにうなぎのぼり!)、簡単に口に入るものではなくなってきました。
ウナギの蒲焼は美味しい!だけどお値段が・・・という時代になってしまい、うなぎによく似たナマズで同じ味の蒲焼ができないものかと研究されたのが、「ウナギ味のナマズ重」のきっかけです。
もしウナギ味のナマズ重が大量に提供できるようになれば、ウナギ好きには嬉しい知らせです。
お値段は半分で「うな重」を食べることができるようになるからです。
「ウナギ味のナマズ重」は「うな重」にとってか代わることができるのかしら
ウナギ味のナマズを、うなぎ屋さんが提供できるようになるのかどうか・・・味の方も見た目もそん色がないという評価を受けたことで、とても現実味が増してきました。
日本人は7月下旬の「土用の丑の日にウナギの蒲焼を食べて精をつける」という人が多いですよね。
この習慣は江戸時代の後期から始まって、以来「夏バテ防止にはウナギ」と当たり前のように定着しています。
管理人も夏バテ防止になりそうという期待感もあって、7月に入ると一度はいただくようにしています。
ウナギの蒲焼は年中スーパーで販売されているので、この時期にだけしかないわけではないのですが、それでも7月中旬ともなると「うな重」の宣伝が盛んになり、鮮魚売り場にドーンとスペースをとってうなぎの蒲焼が並びます。
日本産が減っているため中国産と表示のあるものも多いわけですが、そのスペースに来年の夏には「ウナギ味のナマズ蒲焼」がずらっと並ぶかもしれないところまできています。
ウナギの生産量が減っているのは、ウナギの稚魚が入手しにくくなっているためで、この数年は国産ウナギのお値段は高騰していますよね。
そこで目をつけたのがナマズです。ナマズでウナギと同じおいしさのものが提供できないかと、実験が何年も前からされて、先日ウナギ屋さんで試食となったわけです。
ウナギ味のナマズ重のよいところ
ナマズでうな重そっくりの蒲焼を作って食べてもらったとこと、おおよその評価は以下のようでした。
・小骨がない
・ふっくらした食感で食べやすい
・かば焼き表面の照り、焦げて縮れた皮はウナギそのものといえる
・価格はアラ吸いなどがついて2200円のナマズ御重はウナギ御重より割安
味も見た目もうな重を食べているのと全くそん色がないという意見が多かったのです。
そして気になる価格は現時点では「高い」感がぬぐえませんが、数年で量産化を進めることで、将来的にはウナギの半額を目指すとしています。
半額ならナマズ重を選択する人がどっと増えるでしょうね。
開発リーダーは、抵抗なく食べられるナマズの量産をさらに進めれば、「将来は当たり前の食材として、ワンコインでナマ丼を食べられるようにしたい」と期待しておられます。
今後いっそうウナギの供給は減る見通しなので、美味しい蒲焼が安く食べられるのであれば、嬉しい限りです。
このたびウナギ味のナマズ重を提供してくれたのは、マグロの養殖研究で有名な近畿大学です。
一般に受けいれられるお味にまでナマズを成長させたのは、研究と実験のたまものでした。
ウナギ味のナマズを創り上げたのは
そもそもナマズをウナギのような味に仕上げるまでには、何年もの月日を費やしています。
去る平成21年に日本が大量に輸入していたヨーロッパウナギの国際取引が、ワシントン条約により制限されることとなりました。
ウナギは稚魚を買い付けて、それを日本で育てていたので、稚魚が入手しにくくなることで養鰻業者さんは、存亡の危機さえ感じました。
そこで近畿大学へ相談をたことから、研究が始まったそうです。
ウナギ味のナマズを開発したのは、近畿大農学部の有路(ありじ)昌彦准教授(40)です。
ウナギ養殖用の設備をそのまま利用できるドジョウなどの淡水魚を試食後、ナマズを養殖することに決定。
しかしながら泥臭く脂もないナマズは、そのままではとてもウナギに代わることはできない魚です。
そこで研究を重ねて、エサや飼育する水質を変えての実験が始まります。
エサの配合を変えて実験を重ね、ようやくたどりついたウナギ味がするナマズの養殖に成功します。
納得の味になったのが今年の2月(2015年)。エサは300種類ほどのエサから厳選した7種類を組み合わせてさまざまな魚に与えて食べ比べることで最高のナマズが出来上がりました。
選び出したのは甲殻類を使ったエサで、ウナギの特長である脂身や弾力の基になるタンパク質が多く含まれているのだそうです。
果たしてウナギ屋さんで提供されるのか?
ウナギ味になるナマズは、こうして水質とエサを管理すれば、大量に養殖できることがわかりました。
あとは量産するだけという段階になったわけです。
設備はそのままでいいので、養鰻業者が養殖してくれさえすれば、お店にも並びウナギ屋さんでも提供してくれるようになるはずです。
でも、お値段がかなりお安くならないことには、一般人は手を出しにくいのではないでしょうか。
ちょっと安いだけなら、蒲焼を食べたい人はウナギの蒲焼を買うでしょう。
半額以下になれば、試しに食べてみようかという人も現れるとは思います。
ウナギ味のナマズの蒲焼を食べた人が、「これはいける」「ウナギに負けてない」と感じたら、それを聞きつけたウナギ好きの人たちが、こぞって買いだすと思います。
なので「ウナギとそっくりな見た目と味」であっても、お値段高めのうちはなかなか広まらないかと思います。
そして一番のネックは、「ウナギ屋さん」にあるかもしれません。
今まで秘伝のたれをつかって常連さんの心をつかんでいたウナギ屋さんです。
見た目も味もそっくりでも、ナマズで調理するならその旨をはっきりさせなくてななりませんね。
「ナマズ重1,000円」、「ナマズ丼700円」というお品が「うな重2,500円」「うな丼1,800円」というお品書きに並ぶことになりますが、そうやすやすと並ばないような気がします。
老舗ウナギ屋さんの常連だったら「おいここはウナギ屋じゃないのか?」と不愉快になりそうです。
ウナギ味のナマズがとても美味しいことがわかったら、一番頭を悩ますのが「老舗ウナギ屋さん」かもしれません。
のれんの重みがあるだけに、軽い値段のものが出しにくい・・・と勝手に想像してみたりしています。
土用の丑の日・貴重なうなぎに迫るウナギ味のナマズ重・おわりにまとめ
ウナギの味にそっくりなナマズの養殖に成功した近畿大学では、土用の丑の日に試食会が行われ、高評価を得ました。
見た目も味もウナギの蒲焼にそっくりなナマズの蒲焼は、大量生産されればウナギの半額で押さえられそうです。
さらに将来にはワンコインでナマズ丼が食べられ、おなじみの味になる日も来ると予想されています。
ウナギの価格が今後も上昇の見込みなので、ウナギ味のナマズの需要は増えるに違いありません。
このニュース報道は2015年7月23日(東京・銀座にある近畿大の養殖魚専門料理店で開かれた「ウナギ味のナマズ御重」の報道陣向け試食会16日)だったので、来年の土用の丑の日の前には、大規模にナマズの蒲焼が宣伝されるかもしれません。
夏の伝統行事「土用の丑の日」は、来年から、大きな変化が起きるのでしょう、きっと。
「ウナギで夏バテ予防!」という意識も変わっていくみたいですね、ナマズの栄養もウナギそっくりになっているのかどうか、気になることがまた出てきました。
おまけ「ひつまぶし」
管理人の住む名古屋では、「うなぎ御重」ももちろんありますが、おひつにたぷりのごはんと細かく刻んだうなぎの蒲焼が敷き詰められた「ひつまぶし」が有名です。
丼ものより量が多く、おひつ内のご飯の間にもうなぎの蒲焼が挟んであるお店もあります。
ご飯もうなぎ蒲焼もかなり量が多いので、小食の人は完食がむつかしいかもです。
「ひつまぶし」を注文すると、お膳にお茶の入った急須と茶碗、薬味、漬物、小さいしゃもじがが必ずセットになっています。
おひつのままいただくこともできますが、こういうときは三度味を楽しむのが一般的な食べ方です。
最初は、しゃもじで茶碗にご飯と蒲焼を盛って、そのままいただきます、蒲焼の味を堪能。
二膳めは、刻みねぎ、刻みのり、ワサビなどの添えてある薬味をのせていただきます。
三膳めは、薬味を好みで添え、お茶漬けにしていただきます。
たれは適度な量が最初からかかっていますが、好みでテーブルに常備してある「たれ」を加えてもOK、サンショウも常備してあるはずなので、こちらも三膳に好きなように追加します。
名古屋以外でウナギの蒲焼を食べたことはありませんが、「ひつまぶし」が一番美味しい!こってり味が旨い!と感じている管理人です。
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