◆衣桁(いこう)L型 鳥居型
旅館などの和室に入ると、部屋のすみに「衣桁(いこう)」や「乱れ箱」が置いてあると思います。
はじめて見る人は、「何?どう使うの?」と疑問に思うことでしょう。
以前は日本の家庭でもよくある調度品でした。
「衣桁」の使い方、着物のかけ方、「乱れ箱」の使い方についてお伝えします。
衣桁(いこう)とは、衣桁の使い方
衣桁とは
衣桁は着物や帯、紐など和装品を掛けておくものです。
掛けたり、かけてあるものをとったりで、着替えがしやすいです。
衣桁の種類
衣桁には、
- 「鳥居型」
- 「吊り型」
- 「屏風(びょうぶ)型」
があります。
旅館の和室で使われるのは、L字型に置くことのできる屏風型が多いです。
L字型のよいところは、部屋の角に沿って場所をとらずに着物を掛けられること。
また、使わないときはたためるので、場所をとりません。
衣桁の使い方・着物のかけ方
衣桁には「さお」と「フック」があります。
「さお」には、袖だたみにした着物や、軽く折った帯、帯揚げなどをかけます。
「フック」には、たたみにくい紐類などをかけます。
帽子やバッグをフックにかけてもよいですし、使い方は自由です。
着物のかけ方
着物をかけるには、袖だたみにして半分に折った状態が、「さお」にかけやすいです。
和服はみな平面の構造になっているため、脱いでたたんでかけておく。
それが和服で暮らしていた時代の当たり前でした。
旅館での衣桁の使い方
旅館に衣桁があれば、浴衣や帯、羽織をかけて利用してみましょう。
たたみ方がわからなければ、脱いだままそっとかけておいてもよいでしょう。
短時間ならそんなにシワもつきません。
洋服のハンガーに浴衣をかけ、フックにハンガーをかけて利用しても(裾がひきずるかも)。
衣桁に浴衣や羽織をかけることで、旅館に泊まるという和の雰囲気が感じられますね。
乱れ箱とは、乱れ箱の使い方
◆乱れ箱
「乱れ箱」も旅館にとまると、目にすることのある調度品です。
乱れ箱とは
昔は、手ぬぐいや櫛、懐中にしまう手回り品や、結髪をするときの道具などをいれておくごく身近なものでした。
明日着る着物を入れて、枕元に置いておくのにも使われました。
ふたのない長方形の浅い木製のものが一般的ですが、漆塗りのものもあります。
取ってのあるものや、くぼみに手をかける形式のものもあります。
旅館での乱れ箱の使い方
乱れ箱は浅くてふたがないので、入れてあるものが一目瞭然。
私は旅館の部屋に乱れ箱があると、ついてすぐ温泉に行くための用意をします。
乱れ箱に、部屋の鍵、タオル・バスタオル、ヘアキャップ、化粧品類、下着などを入れて、温泉への持ち物をまとめておきます。
小さなものが散らからず、見やすいのでとても便利だと感じます。
大きな座卓がある場合でも、その上に物がちらかると生活感がでてしまうので、
こまごましたものは乱れ箱にいれて、部屋をすっきりと使いたいと思います。
洋室の部屋にはない和室の良さを、「乱れ箱」から感じています。
乱れ箱・明日の支度のために使う
旅館に乱れ箱があれば、着替えやアクセサリーなどの身の回り品を入れて使ってみましょう。
明日朝すぐ使う小さな身の回り品をまとめておけば、鏡の前に移動させるのもらくにできます。
マイ乱れ箱で暮らしに潤いを
着物を愛好する方なら、「マイ乱れ箱」があるといっそう着物で過ごす時間が楽しみになると思います。
コーディネートを決めたら、タンスや引き出しから小物を移し、着替えをしてはどうでしょう。
乱れ箱が便利だなと感じるのは、あの浅さが絶妙だからかと思います。
私の利用しているものは、たて32センチ、横40センチ、深さ4センチの浅いもの。
寝るときの着替えを入れて枕元に置いたり、着物の着替え用に、伊達締めや補正用品を入れたりしています。
もっと深いものや一回り大きいものもありますから、本やメガネケースなど家の中での必需品を持ちまわるのにも利用できるかもしれません。
衣桁(いこう)着物のかけ方、乱れ箱の使い方・和を感じておしゃれに・まとめ
「衣桁」と「乱れ箱」、昔は家庭でも使われていました。
旅館にあれば、ぜひ利用してみてください。
日本旅館ならではの浴衣のあるくつろぎのひと時を。

<関連ページ紹介>「着物(浴衣)のときのマナーと所作・この心がけで美人度アップです」
コメント