割烹着(かっぽうぎ)は着物をすっぽり包むエプロンです。
今でいうスモックというイメージです。
着物の汚れ防止として、また着物でお出かけするまでの羽織ものとして、割烹着はとても重宝します。
伝統的な割烹着の特徴と、白い割烹着が多い理由、エプロンとの違いについて紹介します。
割烹着は日本独特の家事用衣料
割烹着の歴史については、正確な起源は不明ですが、着物を日常に着ていた時代では、普段着としての着物の上にさらに着物を重ねて着る習慣がありました。
料理や家事をする際にも、着物の上からさらに割烹着を着用して衣服を汚れから守っていました。
このような背景から、割烹着は家事全般の作業を助けるための実用的な服装として発展してきました。
白い割烹着が多いのはなぜ?
最近は使う人も減った白の割烹着ですが、昭和の記憶にある主婦の割烹着といえば白がほとんどです。
お母さんの姿といえば割烹着姿でした。
現代はおしゃれで色鮮やかなものもありますし、素材もいろいろ。
好みのものが選べるようになりましたね。
◆昭和の白い割烹着のタグ
昭和の時代に販売されていた白い割烹着のタグのアップですが、この割烹着は「汚れをよせつけないエプロン」として売られています。
なぜ白い割烹着が多かったのでしょうか。
その理由を考えてみました。
1. 清潔感がある
白は清潔さを象徴する色として、食事の準備や調理に関わる作業において重要な意味を持っています。
料理を扱う際には、衛生的であることが求められるため、白い衣服はその意識を反映しています。
2. 汚れの目立ちやすさ
白は汚れが目立ちやすい色であり、調理中に何かをこぼしたり、汚れた場合にはすぐにそれを認識できます。
そのため、適切なタイミングで洗濯や交換ができるのです。
3. 伝統
歴史的背景や文化的な要因も影響していると考えられます。
伝統的な日本の色彩感覚において、白は純粋さや無垢を象徴する色として重要な位置を占めています。
4. 多目的性
白は他の色と合わせやすく、どんな場面にも適応しやすい色です。
そのため、家庭内だけでなく、さまざまな場面や環境での使用に適しています。
このような理由から、白い割烹着が一般的に広く用いられてきたと考えられます。
割烹着の主な特徴
割烹着は日本独特の衣料です。
着物のたもとをしまい込み、体の脇を包みこみます。
その点はエプロンとは全く違うデザインですね。
割烹着の特徴をまとめると、
- 身ごろにゆとりがある
- 袖が広くたもとをおさめることができる
- 袖口が閉まっている
- 二か所の紐で装着する
着るときは、たもとを腕にゆるく巻きいてから袖を通し、ひもを結びます
。
割烹着にサイズ展開はある?
私の知る限り、サイズはたった一つ「フリーサイズ」のみですね。
紐で調節することで、どんな体型の方でも使えるようになっています
割烹着とエプロンの違いはどんな点にある?
割烹着についてみてきましたが、今度はエプロンとの違いを見てみましょう。
エプロンも同じく料理などを中心に家事をするときに着用しますが、あらためてエプロンの特徴をみてみます。
割烹着とエプロンの違いはこんなところにあります。
1. 世界中で使用される実用的な服装で、料理だけでなく、様々な作業時に衣服を汚れから守るために着用されます。
2. 主に胸から膝の部分までを覆うデザインが一般的で、背中や首の部分で結ぶことが多い。
3. ポケットがついているものもあるが、必ずしも大きなポケットがついているわけではない。
4. デザインや色柄は多種多様で、実用性を重視したシンプルなものから、デザイン性を重視したものまで様々。
以上のように、割烹着とエプロンは目的やデザインがずいぶんと違いますね。
着物のとき、家事のやる気スイッチを入れてくれる
着物で家事をするとき、割烹具はとっても便利。
割烹着を身につければ、袖を包み込みひざ上まで体を包みます(背中と帯の一部は見えます)。
そのためどんな家事でも、着物が汚れる心配はゼロ。
腕を軽快に動かせ、テキパキと家事がはかどります。
それに割烹着を身につけると、「さあやるぞ!」といった前向きな気持ちになれます。
割烹着 かっぽうぎとは/白が多い理由/エプロンとの違い/テキパキ家事の必需品・まとめ
日本の伝統的な汚れ防止の衣服の割烹着、着物のときはなくてはならない衣類と思います。
現代ではデザインは同じでも、カラーもでまわっていますから、より着るのが楽しめますね。
伝統的な割烹着は紐で後ろで閉じるので、どんな人も着ることができるすぐれものです。
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