講座「おしゃれ着きもので着物生活」3回めです。
今回は「譲られた着物やアンティーク着物がちょっと小さい、あるいはちょっと大きい」というとき、
その対処・工夫の仕方を紹介します。
着物は、年代の古いものは比較的小さいものが多く、現代の女性に合わないことがあります。
好みのものであればそのまま着たい、ですね。
そのためにこんな工夫をしてみましょう。
そのあとで、もしお直しするとしたらその費用についてもお伝えします。
着物が小さい場合の着こなし方
「私にはちょっと小さい」あるいは「ずい分小さい」という場合についてまずお話します。
そのお着物、具体的にはどこが小さいでしょうか?
- 「身丈が短い」
- 「袖幅が狭い」
- 「身幅が狭い」
それぞれの対処法、工夫について順に説明しますね、
1)「身丈が短い」という場合の着こなしの工夫
- 腰ひもを腰骨に近い位置(通常より少し下げる)にして締める
- おはしょりを帯でかくし対丈(ついたけ)で着る
着物の丈が短いと、おはしょりが少ししか出ませんね。
それでも気にせずに着る、でよいかと思います。
2)「身幅が狭い」という場合の着こなしの工夫
身ごろの幅が狭いと、裾がはだけやすいですね。
そこでこんな対処法をお試しください。
- 下前の合わせを少なめにする
- 広衿ならいつもより胸のところの衿幅を広くとる
3)「袖幅が狭い」という場合の着こなしの工夫
手首から腕にかけて見えてしまうということで、少しでも工夫するとすると、
- 広衿なら衿を半分に折らず浅く折って、少しでも身頃にかかるようにする
- 半衿をたっぷり出す
これで2センチほどですが、袖幅が広くなります。
また所作で袖幅の短さをカバーすることもできます。
- ひじを軽く曲げるようにすると袖の短かさが目立ちにくくなる
- 冬なら羽織やコートなどでカバーする
着物が大きい場合の着付け着こなしの工夫
今度は「私にはちょっと大きい」という場合の対処法です。
- 「身丈が長い」
- 「身幅が広い」
- 「袖幅が広い」
具体的にあなたの場合はどうでしょうか?
1)「身丈が長い」場合の着こなしの工夫
- 腰ひもをいつもより高い位置で締め、あまるおはしょりは伊達締めにしまい込みむ
2)「身幅が広い」という場合の着こなしの工夫
- 上前の位置は変えず下前を余分があるだけ内側に入れ込む
- そして下前は脇で右方向に折り返す
3)「袖幅が広い」という場合の着こなしの工夫
袖幅が広い場合ですが、短くする工夫は残念ながらありません。
以上が小さいとき大きいときの着付けの工夫方法です。
それでもとても着られそうにないという場合は、「お直し」を考えなければならないですね。
着物のお直しにかかる費用や考え方
着物の「お直し」は、呉服店、悉皆(しっかい)や、仕立てやのいずれかでお願いすることになります。
「悉皆や」は、着物のよろず相談所みたいなところで、染み抜きや、染め替えや、お直しなどの相談にのってくれるところです。
着物のお直しにかかる費用の目安
お直しは、直す位置によって費用が変わります。
小さい着物を大きくする場合の費用
着物丈を長くしたいときは、帯に隠れるところに継ぎ足しします。
約1.5万円~2.0万円くらい。
身幅を広くするときは、脇から幅をだします。
10,000円くらいから。
袖幅を出すときは、袖付けだけか身ごろとともに出すかによって、費用は変わります。
4000~10,000円くらい。
大きい着物を小さくする場合の費用
着物丈を短くする、身幅を狭くするのは、約1.5万円から。
袖の幅を短くする場合は、袖のみの場合と身ごろとともに直すかによって違います。
4000~10,000円ほど。
必ず確認して納得してから依頼してくださいね。
着物がちょっと小さい・大きいときの対処法・まとめ
いただきものやアンティーク着物は、サイズがぴったりというわけにはいかないので、工夫しつつ着こなして。
お直し費用は、直す場所によって変わります。
生地の変色や質の劣化などの理由でお直しできない場合もあるので、よく相談してください。
次回の講座は、帯について詳しくお伝えします。
この「おしゃれ着きもので着物生活」の講座は次回でおしまいです。
帯の格やお値打ちに買うポイントなどをお話ししますね⇒「講座◆「おしゃれ着きもので着物生活」4「帯と格・格安帯の購入ポイントと長じゅばん」」
小さい着物の着方の工夫をさらに細かく説明していますので、参考にしてください⇒「譲ってもらった着物が小さいときの着こなし方/工夫と対処法!」
大きい着物の着方の工夫をさらに細かく説明していますので、参考にしてください⇒「譲ってもらった着物が大きいときの着こなし方/工夫と対処法!」
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