納戸に閉まってあった着物に「カビ」がはえてしまい困った、という由美子さんのお話をききました。
お話の主は、60代で夫とふたり暮らしの由美子さん。
息子家族と同居を計画し、古くなった家を建て替える予定です。
お義母さんの残した二棹の着物の処分を考えています。
以下、由美子さんのお話です。
古い家の建て替えで
築50年を超える家を建て替えることになりました。
息子の家族と同居するために、三階建ての2世帯住宅を計画しています。
「今時同居してくれるお嫁さんなんていないわよ」と知り合いにも言われ、
ありがたいのはやまやまです。
なにしろ膝に病気が見つかって歩きづらくなった私と、
高血圧がいっこうに改善しない主人との二人暮らしでしたから。
息子たち家族といられるのはとても心強く嬉しいです。
私たちの部屋は5から1部屋へ
ですが、新しい家になると、私達夫婦のスペースは1 LDKです。
これまでは6LDK の純和風の、木造のいわば田舎の家。
押入れも収納スペースもたくさんあります。
これからのために、押入れにあったものを捨てたり粗大ゴミで出したりしています。
捨てられないもの=着物
でも なかなか捨てられないものがあるんです。
主人は捨ててしまえと言いますが、それがなかなかできません。
捨てられないもの、それは着物好きの義母が残した二棹の着物です。
冠婚葬祭用の着物は数回着たものの、あとはほとんど袖を通していません。
タンスごととりあえず、母屋のとなりの納戸に移動させました。
建て替えが済んだら、納戸も壊して庭を欧風ガーデンにしたいと、
息子夫婦は言っています。
これからは若い世代の意見を聞いていかなければとは思っています。
農機具や工具は捨てるとしても、
義母が残したものは、高価なものもあってずっと大切にしてきました。
それを処分することが、私にはどうしてもできません。
ゴミではないから捨てたくない!どうしたらいい?
と考えているうちに、梅雨が明けました。
梅雨明けで着物にカビを見つける
やっぱり捨てるしかないかと思って、着物のより分けをしようとタンスから取り出してみました。
すると、「いいものよ」と聞いていた「留め袖」に、なんとカビがポツポツでているではありませんか!
「これ、お義母さんが気に入っていた作家さんの手描き友禅のはず!!」
私はうろたえました。
このまま納戸に 放置しておいたら他の着物にもカビが生えてしまう!
いや、もう生えてしまっている!?
そう考えると、心臓がドキドキしてきました、
着物は処分するしかないのか
焦った私は、 近所に住む同年代の方に相談しました。
その人は 入学式卒業式などで着物をよくお召しになっていたので、きっと着物のことに詳しいはずです。
納戸に着物を入れていたら傷んできたことを伝えると、こんなことを教えてくれました。
白いカビは自宅でとれる
その方がいうには、
白いカビは自宅でもとれるとも教えてくれました。
でも素人がやると着物が傷むかもしれないので、クリーニングに出す方がいいとも。
私は膝が悪いので、当面は着て楽しむこともむつかしい。
クリーニングしても、持っているだけでは意味がないし。。。
保管は貸し倉庫もある
自宅にスペースがないなら、「貸し倉庫」という手もあるようです。
そうか!倉庫を借りるという方法があるのか!と知りました。
しかしながら貸倉庫は、このあたりでは見かけません。
それにやはり、自分のものが手元にないのは心配です。
必要がないならごみとして捨てるか、「売る」という方法がある、そうです。
売るという選択で心が楽に
知人にヒントをもらった私は、「売る」方法を調べました。
いくつか着物を売れるところが見つかり、
利用者の声で、ここならっと思えたところに連絡してみました。
もって行けるかどうかと心配していたら、来てくれるというので助かります。
そしてその場で見積もりをしてくれ、電卓で金額をみせてくれました。
一番高い価格になったのは、ある作家さんの作品でオシドリが刺繍してあるものでした。
カビのでてしまった「留め袖」は、お値段つきませんでした。
ほとんど値打ちのないものもあり、合計でも大した金額にならないことがわかりました。
買った時の価格からは比べようがない金額です。
ですが手狭になるスペースに、今後保管することはムリなので、
売るという処分を決めたことで、気持ちが楽になりました。
大好きな思い出だけは残しました
全部処分してしまおうおとしたのですが、
それでも思い入れのある3枚だけは手放したくないものがあり、
それは新居の一つしかない部屋のクローゼットのすみに、「主人に見つからないよう隠すつもりです」^^
「天国のお義母さん、手放すけど許してください」。
一抹のさみしさはありますが、心配の種はなくなりました。
以上、由美子さんの体験談でした。
保管できるスペースがないことで、着物の処分を考えざるを得なくなった由美子さん。
大切にしたい思いでを厳選して、気持ちの整理をつけたようです。
もし「着物を売る」という選択をするなら、こちらも参考にしてください
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