◆お太鼓を前で結ぶときの「前結び用伊達締」
お太鼓結びが満足のいく出来栄えになるまで、かなり練習が必要になりますね。
たまにしか着物を着ない人は、帯結びに時間がかかって「面倒」と感じることもあるようです。
そこで「前で結ぶのもありじゃない?」ということで、前結びしてみました。
前結びなら自分の目で確かめながらできますものね!
市販の前結び用の板や道具もあるようですが、私はベルト式の伊達締めみたいなものを手作りしてみました。
そんなのもありかという人、お試しください。
「前結び用伊達締め」(勝手に命名)の作り方
これから紹介するものは、伊達締めの代わりにもなるので「前結び用伊達締め」と勝手に名付けています。
前結び用伊達締めの出来上がりサイズ
出来上がりは伊達締めと同じくらいの幅13センチ、長さ100センチで、マジックテープを取り付けます。
<用意するもの>
- 厚手の滑る生地 104センチ×15センチ
- シーチング(芯にする生地) 104センチ×15センチ を2枚
- マジックテープ 10センチ×5センチ
- ミシン
- 裁縫用具
※
シーチングでなくても厚手の木綿生地でもよいです。一枚は表の生地の補強用なので、糊の付いた接着芯でもよいです。
※縫い代は長い辺に上下1センチずつ、短い辺にそれぞれ2センチずつ含まれています。
生地の見本と具体的な説明
◆前結び用伊達締め すべる生地
表生地は、よく滑るつるつるした生地で厚手のものが適しています。
洋服の裏地に使われるものは、薄すぎて作りにくいです。
◆シーチング2枚
シーチングを2枚。表生地と同寸法です。
なければ木綿の厚い生地でもOKです。
一枚は表地の補強(芯)にします。
◆シーチング生地 アップ
シーチングのアップ写真。
シーチングは洋裁のときの補強や内側の芯にするもので、厚手の粗い木綿です。
表に出るものではないので、生成りの素材です。
前結び用伊達締め・作り方
では作り方をお伝えします。
表生地の補強
◆表生地裏の周囲にのりづけ
表生地の裏の周囲に糊を薄くつけ、芯用の一枚のシーチングを置いて、アイロンでしっかりと押さえます。
中表にし周囲をぬう
◆もう一枚のシーチングを中表に
その後もう一枚のシーチングを、中表にして重ねます。
周囲を短い辺は2センチ、長い辺は1センチの縫い代でミシンで縫います。
長い辺の中心あたりに、20センチほどの返し口を開けておきます。
縫い代を倒す
◆縫い代を倒しアイロンをあてたところ
縫い目にアイロンをあててから、縫い代を倒しアイロンをあてます。
四隅は倒した縫い代を、2~3針縫っておさえておくとよいです。
返し口を閉じる
◆返し口を閉じる
返し口から表に返し、四隅をととのえ、全体にアイロンをあてます。
返し口を閉じます。
マジックテープ取り付け
◆マジックテープ取り付け
10センチ×5センチのマジックテープを、しっかり取り付けます。
<サイズについて>
このサイズは、着物を着て伊達締めを締めたとき、胴回りが85~90センチになる人に適したサイズです。
それより細い方は、マジックテープを内側に取り付けるようにしてください。
反対にもう少し胴回りのある方は、出来上がりの長さを、この例100センチより長くしてください。
表生地を滑りにくい生地にすれば、伊達締めにもなりますよ。
では、次に、「前結び用伊達締め」を使って、お太鼓を前結びします。
前結び用伊達締めでお太鼓を前結び
大き目のクリップを2個用意してください。
前結び用伊達締めを装着
◆装着します
「前結び用伊達締め」をゆるみのないよう胴に巻きます。
できた帯結びを右の方に回すので、つけ方は写真のようにしてください。
お太鼓を前で形づくる
◆お太鼓を前で形づくる
お太鼓結びを前で行います。
帯枕の紐は体にぴったりつくくらいで、帯揚げはゆるく背中で結びます。
帯締めは、仕上げの一歩手前の力加減で、背中で結びます。
お太鼓の底を決めた仮紐は、帯締めを締めたらとってもいいです。
◆後ろ姿
前結びをした後姿はこのようになっています。
いつもの逆ですものね。
クリップをとめ後ろに回す
◆クリップをとめる
仮紐をとり、帯揚げと帯締めもほどきます。
すぐに大きいクリップで、お太鼓の上方と帯揚げのところをしっかりと挟みます。
左右二か所。
そして、「前結び用伊達締め」の上から帯を背中に回します。
形がくずれていないかを、手で触って確かめてください。
帯枕・帯揚げ・帯板・帯締めで完成させる
◆前結びのお太鼓完成
形が整っていることを確認したら、クリップをはずします。
枕の紐をしっかり引き締めて結び、帯揚げを飾ります。
帯板を帯の一重目と二重目の帯の間にはさみます。
帯締めはいったんほどいて、しっかりと引き締めて結びます。
後ろで結ぶより前結びの方が、きれいに仕上がるかもしれませんね。
帯結びそのものが苦手な方は、少し練習が必要かもしれません。
帯を前で結ぶ/前結び用のベルト 伊達締めを手作り/作り方紹介・おわりに
自分の目で前からお太鼓を確認できるのが前結びの良さ。
前結びのために、良く滑る生地で伊達締めを作っての利用法を紹介しました。
<関連ページ紹介>
◆兵児帯の作り方(女性)反物・着物生地・リメイク手順付き
◆ビッグリボン作り方・布・バレッタやゴムでヘアアクセやバッグに
◆伊達衿の作り方・自分で作る・画像と手順付きで誰でもできる
コメント