染めの着物とは、白い反物に染色してから仕立てる着物です。
染色の方法は、この二つにわかれます(ろうけつ、絞りを除く)。
- 手書きで模様を描いていくもの
- 型をあてて色をおき模様を染めていくもの
手書きで模様を描くものは、自由で繊細な絵柄が表現できます。
振り袖、留袖、訪問着などの着物です。
型をあてて色をおき模様を染めていく染色方法は、その型の模様が繰り返し表現されます。
手書きする染色方法
手書きで模様を描いていくものには、
- 京友禅
- 加賀友禅
- 東京友禅
などがあります。
これら三つの友禅を三大友禅と呼んでいます。
それぞれの特徴をおおまかにまとめますね。
京友禅の特徴
「京友禅」は、日本の着物を代表する華やかさと技術が凝縮された素晴らしい染物です。
日本の着物というと、この「京友禅」を指すこともあります。
全体の絵柄が身頃や袖に続くように、一枚の絵を描くように模様が表現されます。
鮮やかな色彩を何色も使い分け華やかな模様を描きます。
フォーマルの着物には、さらに刺繍や金彩(金箔や銀箔で模様をつけること)を施すなど、いっそうの加飾を行うこと多いです。
「京友禅」には型を当てて染める「型友禅」もあります。
これは模様に使われる色の数だけ型を用意し、染料をしみこませた刷毛で色を刷り込んで染める技法です。
加賀友禅の特徴
「加賀友禅」は、金沢市を中心に作られる手描き友禅で、繊細で写実的な草花模様が特徴です。
花は小さめで、木の葉には「虫食い葉」が描かれ、模様の端を濃く中心を薄くするぼかしの技法が用いられます。
色使いは「加賀五彩」と呼ばれる五色で表し、侘び(わび)て落ち着きがあります。
刺繍や金彩、絞りなどはせず、手描きの染めだけで仕上げられています。
東京友禅の特徴
「東京友禅」は江戸友禅ともいい、東京で染められている手描き友禅です。
藍、茶、白など渋くてあっさりした色使いをするところに特徴があり、模様は小さめで粋でモダンな印象です。
型をあてて色をおき模様を染めていく方法
◆型染めの着物の一例
何種類もの型をつくり、それぞれに色をおいて、型の枚数だけ染めていく方法を「型染め」といいます。
ところどころに模様があるもの、全体に華やかに模様表現するものなどあります。
いずれも着物の種類では「小紋」とよばれます。
織りの着物についてら⇒「織りの着物(織物)とは・結城紬と大島紬」
「小紋」の着物については⇒「小紋(こもん)の着物・特徴は?いつ着るの?帯合わせについても」
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