フィギアスケートの浅田真央選手のフリー演技の際の衣装は、着物をアレンジした襟のあいた素敵な衣装でしたね。
昨日のNHK杯で、惜しくも3位に終わりましたが、復帰直後の2015GPシリーズ第3戦中国大会(2015年11月7日北京)では堂々の優勝で、観客を魅了していました。
浅田真央選手と同じ地元で、練習のスケートリンクは私も子供のころから利用していたリンクということもあってつい「真央ちゃん」と親しく呼んでしまいます。
真央ちゃんの今シーズンのフリーの衣装は、「蝶々夫人」を選んだからにはやはり着物風の衣装に違いないとは思いつつ、どんなアレンジなのか楽しみでした。
その衣装の良さがどんな風に着物の良さを取り入れているのか?そんなことを考えてみました。
浅田真央選手の衣装の着物との共通点
大きな共通点の一つは、着物の特徴の一つの「衿」の特徴を大胆に取り入れていたことです。
着物の衿は衿を右の身ごろから先に合わせますが、その通りの合わせ方で、衿の部分だけ着物と同じように厚みをつけ幅も同じくらいとっています。
真央ちゃんの衣装の最大の特徴とも言えるのが、衿の首の後ろのあき方ですが、ここが着物の衿のあき方とそっくりです。
着物の衿のあき方よりも、ずっと大きくあいていて背中が見えるようになっていました。
ここまであいていると色っぽさが出て大人の女性の表現には最適です。
激しい動きのスケーティングで衣装が乱れてしまわないかと心配しましたが、体にぴったりにまた伸縮自在に縫製されているためそんな心配は全く無用でした。
もう一つの大きな真央ちゃんの衣装と着物との共通点ですが、それは帯です。
着物には不可欠の帯を、かなり幅の広い別のきらびやかな生地でウエストを飾っていました。
帯締めもあり、衣装の全体の色と統一させていました。
帯締めまできちんと再現した衣装は、スケートでは初めてだと思います。
そして背中に印象的な帯の結びも演出されていました。
じっと見ていたのですが、動きが早くて分かりづらかったのです。多分ですが、半幅帯で結ぶ「矢の字」に似ていました。
これは帯結びが平面的に出来上がるので、動きやすい帯結、盆踊りの時や普段の着回しのときにもよく結ばれている帯結びです。こんな結びです。
ここで文庫結びなどの立体的な結びにしなかったのがとてもいいと思いました。
曲目「蝶々夫人」なので蝶々結びにしては?なんて浅はかな考えは毛頭ありません。そんなことしたら幼さが出てしまい演目とは反してしまいますからね。
単に帯をベルトのように扱うだけでなく、背中側に結びがあることでより着物テイストが出ている衣装で素敵でした。
浅田真央選手の袖の強調が手の表情を際立たせる
今回の着物アレンジの衣装は、袖にも特徴があります。
着物の袖そのものだと、演技がしにくいでしょうから、袖口を手の甲の中央あたりまでとし袖口を大きく開いていました。
そして薄い透ける生地にしたことで、見えにくくなった手のひらや手首を透かし見ることができ、指先の表情まで視線が届くよう配慮されているのだと思います。
一層細やかになった表現力が、繊細な感情とともに観る者を惹きつけます。
真央ちゃんの演技を観て着物を再度考えてみました・まとめ
真央ちゃんのフィギュアスケートの衣装と演技の様子を観ていて、きものについてもう一度考えるきっかけとなりました。
日本には素晴らしい文化がいろいろありますが、そのうちの着物という衣服の文化も日本の良さを残し続けていますね。
フワフワとかモコモコっとした可愛さはないですが、衿合わせと帯で留めるシンプルな衣装。
「形が同じ」という出発点から、いかに自分の好みにアレンジさせるかが個性の発揮しどころです。
着物をスケートをするにふさわしい動きやすい衣装にまで昇華させる技術は素晴らしい!としかいいようがありません。これからも素敵なアレンジが登場することでしょう。
着物(きものアレンジ)だからこそ表現できるものがある、日本の特徴の素晴らしいところですね。
着物を美しく装う着物の王道もそのまま残ってほしいと思いますし、もっと自由にきものを楽しむアレンジもあっていいと思う管理人です。
これからも真央ちゃんのますますの活躍を応援しています!
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