◆雨コート ワンピース式
着物(和装)のとき、雨が降ると外出が面倒になりがちです。
でも「雨コート」(雨天用コート)があれば、気分がとても楽。
「雨コート」に「雨天用草履」を身に着ければ、大ぶりの雨もしのげます。
ここでは「雨天用コート」の種類と特徴、仕立てるときの注意点についてお話します。
着物の雨コートの種類
◆雨コート 二部式
「雨コート」はいうまでもなく、雨から着物や帯を守るものです。
着物(和装)のときの雨コートには、以下の二種類があります。
- ワンピース式
- 二部式
それぞれの特徴(メリットデメリット)や仕立てるときの注意点を紹介しますね。
ワンピース式雨コート(長コート)の特徴
◆雨コート ワンピース式
ワンピースタイプ(長コート)は、天気が不安定な日に最適です。
1枚で全身をカバーできるため、外出先での脱ぎ着が容易です。
行先で濡れたコートをたたむのにも、ワンピース式はやりやすいです。
また一枚なので、収納しやすいです。
デメリットとしては、身丈の調整が難しいことです。
丈が短すぎると裾が汚れやすいですし、長すぎると裾が引きずり、着物が汚れるリスクがあります。
ワンピース式の仕立ての際のポイントは、着物の丈より2cmほど長めにすることです。
そうすれば雨からきちんと着物の裾が保護されます。
二部式雨コートの特徴
二部式の雨コートは、雨が降りそうな時や、止むと予想される時に活躍します。
上部はコート、下部は巻きスカートの2部構成となっています。
二部式雨コートのよさは、ウエストで長さや幅が調整できることです。
帯結びのボリュームや着物丈に合わせることができます。
そのため、既製品を購入する際のリスクが低いです。
雨が止んだら、下部のみを外す使い方も可能。
二部式雨コートのデメリットとしては、脱ぎ着がワンピースタイプよりも手間がかかることでしょう。
雨コートの選び方のポイント
このように、ワンピース式と二部式には、それぞれのメリットやデメリットがあるため、
和装の雨コート選びでは、サイズよりも形状や使用シーンを考慮することが重要です。
また実際に仕立てる場合には、注意しておきたいこともあります。
雨コートを仕立てるときの注意点
雨コートは、着物をすっぽりと覆うので、丈には注意が必要です。
仕立てるときは、着物の裾がぬれないように着物の裾よりわずかに長い(2センチくらい長い)丈に仕立てます。
「ワンピース式の雨コート」は、お太鼓の大きさによって着丈が変わります。
そのため雨コートを仕立てるときは、必ずいつものように帯を締めた状態で丈を確認してサイズを決めてください。
雨コートの素材や色について
雨コート用の生地は、無地かごく単純な模様が繰り返されるなど、シンプルな柄のものが多いです。
今でも雨コートといえば、赤やオレンジ色、紫や茶といった色が基本多いです。
着物の色柄は衿の一部しか見えないので、着物とのコーディネートにはあまりこだわらなくてよいと思います。
雨コートを着物生地から仕立ててもOK
◆着物の生地 紬
雨コートは雨コート用の反物から仕立てるのが一般的ですが、近年は雨コート用の反物が少なくなっています。
そですから着物の反物から仕立てる人も増えてきました。
着物用の反物の方が、色柄が豊富なので選びやすいともえいます。
素材はツルっとした手触りの素材がよいので、平織りの紬の反物はふさわしいです。
また着物から仕立て直しするのもよい方法です。
生地には防水スプレーを施して、水をはじくようにします。
縞・格子・絣柄など、気にいった生地であつらえれば、とても個性的に装えます。
雨用コートの衿について
◆道行衿の雨コート
現代の雨コートの衿は四角い額縁のような形をした「道行衿」が主流です。
衿の形は何種類かありますので、見本を見せてもらって選んでください。
着物の雨コート 二種類/サイズと特徴/仕立て方と注意点・まとめ
雨天用コートには、ワンピース式と二部式がある。
ワンピース式は扱いが楽ですが、丈の調整はできない。
二部式は下の巻きスカートで丈の調整がしやすい。
雨コート用の生地もしくは、平織りの紬生地で仕立てても個性的。
どちらかだけといわれたら、二部式をおすすめします。
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