山形県の置賜(おきたま)地方の米沢織りのすばらしさが、NHKのあさイチで今朝放送されていました。
米沢織りは200年も続く伝統の織物で、着物や帯を織り続けていましたが、随分前から織りの技術のすばらしさが世界中で認められていて、「世界中の有名ハイブランドがこぞって使用する高品質な生地の生産地」として有名なところです。
喪服、ウエディングドレス、ストール、マフラー、室内用スリッパ、バッグ、ネクタイ、婦人のスーツなどに使われています。
永く着物や帯の生産で有名でしたが、近年はその生産量は減っているかもしれません。
が、今や和装の世界だけでなく、世界中でなくてはならない生産地になっているのですね。
和装の世界の中では、今年袴で新風を運んでいるのが、若き男性、老舗の5代目の新田さんとおっしゃる方で、
生地の9ミリの間に60色以上の糸を用いて、虹のように輝く袴を作成中だそうです。
男性の袴というと、縞模様が多いですが、この新作の生地はシックなのに「色が近づいてくる」ような不思議な生地だそうですよ。
緯糸一本につき経糸が5本織られているということで、こんな織り方をしたのは新田さんが初めて?
「新作の袴は自然の光」を表現したいそうですが、いったいどんな色に輝くのでしょう?
夏にその作品の展示会があるそうですが、「新しい生地は袴のため」となると、これから袴が世界中の注目を浴びる?ことになるかもですね。
袴をはいた男性の姿って、カッコいいと思いますから、男性の着物ブームの火付けになるといいですね。
置賜地方の生糸の染め方は、紅花染に代表される、優しく温かな色彩ですが、サクランボの枝などの自然素材の染に力を入れているそうで、色の種類は1万色以上もあるそうです。
一万って、そんなに微妙な違いが、自然の草木から染め出されるのですねえ。
日本のブランドから世界のブランドへと、日本の技術が活躍する場所を変えて発展していっている置賜の米沢織り。
着物と帯の話題しか知らなかったので、とても新鮮な驚きです。
ちなみに置賜地方の着物では、米沢紬が有名で、琉球紬に似ているところから、「米沢琉球紬」とか「米琉」とか呼ばれています。
紅花、刈安、クチナシ、栗、山桃などの草木を染めが主体で、落ち着きのある優しい色合いがステキなんです。
無地、縞、格子、そして琉球の影響を受けた模様で織られたものが特徴的です。
明治時代には大島紬とならんで、非常に人気のあった紬です。
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