講座「上級までの道のり」の15ページ目です。
ここでは、
- 「着物姿を美しく写真に残すためのコツ」
- 「衿合わせによる印象の違い・4タイプ」
をお伝えします。
これまで着物にまつわる様々な知識と、着方のコツや技術をお伝えしました。
さていよいよ最終回です。
「思い出に残る写真が美しくありますように」、そんな願いを込めてお送りします。
美しい着姿を残す
着物が着られる喜び、個性を表現できる喜びを体感されましたでしょうか。
お出かけの際は、納得できる美しい姿を残してくださいね。
見る目を養って上級者に
その前に最終目標の「着物上級者」として自信を持つために、客観的な視点を持っていただきたいと思います。
そのためには、興味関心をもって着物美人の観察をしてみるとよいですよ。
具体的には、
- お出かけ先で出会った着物美人さんの着こなしを観察
- きもの雑誌や芸能人の着物姿を観察
おりにふれて見本となる人をよく見て目をこやすことが大切です。
観察といっても目の前の人をジロジロと見るわけではありません。
ちらっと見るだけです。
瞬時に帯の結び方や着物の色柄などを、脳裏に残すというか感じるように。
雑誌やテレビの中の芸能人は、ゆっくり観察させてもらいましょう。
意識して見るを繰り返すうちに、あなたの「見る目」が養われていきますよ。
そして、よいところは真似したり自分に取り入れて、さらにセンスを磨きましょう。
やがて大きな自信もついてくるでしょう。
ここまでくれば「着物上級者」です。
そして次は、自分がお手本になる番・・・ですね。
着物姿を美しく写真に残すには
さて本題、着物を着たら、やはりより美しくステキに見られたいものです。
そして写真にうつるときも、記念に残るよい思い出になるように残したいですね。
そのために、ちょっと意識しておきたいことをお伝えします。
写真に写るときの着物姿・美しい立ち姿
- まず背筋を伸ばしてまっすぐの姿勢で立つ
- 右足を少し引いて着物の上前をカメラに向ける
- 顔はカメラに向けて肩の力を抜く
- 両手の指先を閉じて軽く内側へ包み込むようにして重ねる
- ひじは身体に沿わせて軽くまげる
- そして自然に微笑む!
これで、ステキなあなたが残ります。
衿合わせ上級編・タイプ別衿合わせ
すでに「着物の衿合わせ」の基本はお伝えしました。
その基本ができた上で、もっと個性的に装いたいときの衿合わせをみてみましょう。
「半衿の見え方」・「衣紋の抜き方」が変化すると、見た目の印象が変わってきます。
衿の合わせ方でかもし出される雰囲気は以下の4パターンあります。
- マニッシュ系
- 華やか系
- 粋系
- すっきりシャープ系
マニッシュ系(活動的な感じ)
衿合わせをのどのくぼみに合わせて、えもんを詰めぎみにする着方です。
街着、軽いお出かけに、ウールや紬着物に向きます。
縞・格子・幾何学模様など、あっさりした模様の着物に。
髪がショートの人、明るくシャキシャキしたタイプの方向き。
色柄半衿が似合います。
華やか系
衿合わせをのどのくぼみまたはその1センチ下に合わせ、えもんを通常より大きく抜く着方です。
訪問着をはじめ柔らか着物で社交の場に出席のとき。
しゃれ袋帯で紬着物、色無地をおしゃれに装いたいときなども。
髪はアップでボリュームを出すときに。
粋系(通らしい感じ)
衿あわせをのどのくぼみより2センチくらい下に合わせ、えもんを通常より大きく抜く着方。
若い女性には不向きでしょう。
縦じま模様、江戸小紋、とび柄の小紋、あっさりした模様のお召しなど、着物慣れした人の着姿です。
角出し結び、個性的な半幅帯結びがよく合います。
自由闊達な個性的な人向き。
すっきりシャープ系(現代的な感じ)
衿あわせをのどのくぼみより2センチくらい下に合わせ、衣紋を詰める着方です。
活動的で知的な印象をめざしたいとき。
モノトーンの着物、色彩の少ない着物、仕事の打ち合わせのとき、日常着として着物を着る場合など。
髪はあっさりとまとめるだけ、またはショートヘア。
色柄の半衿も合います。
着物によって、場面によって、どう演出したいのかによって、着方の変化を楽しんでください。
これで、講座「上級までの道のり」を終了いたします。
ご精読ありがとうございました。
着物のある暮らしを楽んで、あなただけの「きもの物語」を綴ってくださいね。
補足として、「体型補正」と「着映えする補正」について追加しました。
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